「分断のない世界を」

 そんな想いから、旅するカカオ屋は、

出店・ワークショップ・イベントを通じて、

全国旅をしながら、

カカオの最古にして現在失われつつある文化、

マヤ時代から飲まれているカカオドリンク「ショコラトル」を、

歴史や文化とともに伝えています。

カカオの学名は、

“Theobroma Cacao”=「神の食べ物」

 そんなカカオ、

現代は、嗜好品であるチョコレートに変わり、世界中の老若男女に広く親しまれているにもかかわらず、

古代は、神への捧げ物であったこと、薬であったこと、貨幣であったこと、

その多くを知られていません。

 

中南米から欧州、そしてアフリカへ渡ったカカオの道を、旅するカカオ屋が辿り、

現在も残る植民地関係によって失われた森と文化の再生をしていくことで、

消費者、生産者、ともに失われた感覚を取り戻していきたいと思っています。


「分断のない世界を」目指すために、

夫婦であえて家を手放し、廃材で作った小屋を乗せたトラック=モバイルハウスで、

自分自身をホームとしながら、カカオを携え、

分断なく旅を始めました。

モバイルハウスにて出店

 ご縁あればどこへでも。

東京、埼玉、群馬、静岡、山梨、長野、岐阜、愛知、新潟、石川、滋賀、京都、大阪、和歌山、兵庫、島根、岡山、福岡、大分、宮崎

祭り、音楽イベント、マルシェ、植物園、量り売り屋、チョコレート屋、公民館、キャンプ場 百貨店 など


 形こだわらず、形変え、カカオを届けてきました。

 ・古代マヤ時代から飲まれているショコラトルの出店販売

 ・カカオ豆からチョコレート作りワークショップ

 ・カカオセレモニー


ショコラトルをモリニーヨで泡立てる様子。
ショコラトル
カカオ豆からチョコレート作りワークショップ

嗜好品や薬などあらゆる側面を持ったカカオは、

五感へ届き、子どもから大人まで、

そして多様な世界観のところへ届き、

お陰様で、

我々があらゆる世界へと旅をさせていただき、

あらゆる世界の見方に氣づかせてもらえた、この2年でした。

 

そして1年が過ぎたとき、

源流を追いかけ、中南米、マヤの地へ。

赤道直下の熱帯雨林をかきわけると、そこには木の幹から直接生えた、カラフルなフルーツ、

カカオが。


カカオの木
カカオの実

片田舎へ赴けば、先住民族がカカオ豆を煎り、一粒一粒皮を剥き、重い石棒と平石臼ですり潰し、湯に溶かしてぶくぶくに泡を点て、

ハレの日に、ケの日に飲む姿が。

カカオをすり潰す道具、メタテとマノ
メキシコの小さな村にて母の日を祝うショコラトル

チョコレート

という嗜好品の末端しか知られていない今、

生産と消費の「分断をなくしたい」という想いが、

一層強まりました。


近年、健康効果を謳った高カカオ製品や、フェアトレード製品、カカオセレモニーというマインドフルネスワークが増え、

「カカオの高騰」というニュースまでもが広まるほど、

チョコレートではなく、カカオが一般の人の目にふれはじめました。

 

古代から伝わる「神の食べ物」が、

世界中誰もが好きな嗜好品となり、これまでの歴史文化が隠した本当の価値を知るにも容易い時代となった今。

 

カカオの本当の使い方に向き合い、

古代と現代、生産者と消費者が分断されていたものを繋ぐのには、

今しかない、と。


国産カカオを育てる宮崎カカオ農園内にて行ったカカオセレモニーの様子

実は、皆が知るココアやチョコレートは、スペインがカカオ原産地を侵略してから生まれた近年のもので、

カカオの歴史はずっと古く、宗教文化と密接に関わってきました。

カカオ年表
古代マヤ文明の都市カラクムルから見つかった絵。カカオ飲料を飲む様子。

カカオは、いつの時代も人間の欲求を満たしてくれる、魅惑的な生き物です。

 

古代からは学名の通り、神の食べ物として、

ヨーロッパに渡ってからは、権力の象徴として、

現代では誰もが知る、嗜好品として。

 

そんな嗜好品になるまでの歴史に巻き込まれた国、

「サントメ・プリンシペ」

 

かつて世界一のカカオ生産量を誇り、今や世界最貧国の一つとされるカカオ王国を、

我々は目指します。

 


実は、アフリカで初めてカカオの栽培が行われた島国です。

サントメ島、プリンシペ島、そのほかの島々からなり、いずれも火山島です。


自然豊かな原生林が広がり、そこには珍しい種類のランやベゴニアなど800種以上の植物が自生し、固有種も多く見つかっています。

サントメ島

ポルトガルの航海者によって発見されるまで無人島でしたが、大陸との交易に利用する目的で、1471年にポルトガル領になりました。

そして、島の火山性の土壌が砂糖やカカオの生育に適していることを発見し、サトウキビ農園やカカオ農園を作り、労働力はアフリカ大陸から輸入し、奴隷貿易の中継基地へ。

そして1908年、世界一の生産量を誇るまでになりました。

 

しかし、1975年の独立を境にポルトガル人が本国に帰ると、アフリカ大陸から連れられた人々とカカオ産業は放棄され、経済破綻しました。

というのも、独立後も経済はカカオ豆の生産・輸出に大きく依存しており、モノカルチャー(単一耕作)であるため、

食糧や生活物資の大半を輸入に頼り、貿易赤字が続いています。

(輸出:約2200万ドル 輸入:約 1 億9600万ドル)

輸出相手 ポルトガル、ベルギー、オランダetc

輸入相手 ポルトガル、アンゴラ、トーゴetc

その結果、世界最貧国の一つに。


食糧の生産と消費の分断、

カカオの生産と消費の分断、

経済の生産と消費の分断をなくすために、

 

世界最貧国かつ、世界一のカカオ王国から、

食べられる森を。

そして、その森が生むカカオから最終製品までつくることのできる、

世界に送る森のカカオ工場を、

サントメプリンシペに建てたいと思っています。


Chatgptによるイメージ写真

・カカオの木から始まる、食べられる森を

実はカカオ、暑さに少々弱く、強い日差しを遮る木かげと受粉を助ける虫、さらには土に多くの水分量が必要となります。

 

そこで、

“森をつくる農業”「アグロフォレストリー」

というものがあります。

 

ひとつの土地で一種類の作物を栽培するのではなく、多種多様な作物を時間的かつ空間的に組み合わせて栽培します。

日陰を提供する樹冠のもとで、木々の落ち葉によって腐葉土ができ、虫たちも増え、

果物、野菜、穀物、花、ハーブ、バイオエネルギー原料は育ち、

 

「食べられる森」へ。

 

カカオの世界の需要に応えるべく、森林伐採、開墾し、単一耕作をおこなうことで失われた森を、


カカオの本来育ちやすい環境を求めることで、生物は多様性をおび、森は再生されていきます。


カカオの育つメキシコの森

・世界一のカカオ王国から、世界に送る森のカカオ工場を 

現代の商業的なカカオ生産のほとんどは、

宗主国(=消費国)が従属国(=生産国)をカカオ栽培に従事させた植民地時代が尾を引いています。

 

通常、商品の価格は需要と供給のバランスによって決まりますが、カカオは先物市場で買取価格が決まる仕組みになっています。

生産者が、カカオの栽培から収穫までにどれだけ手間暇かけ、丹精込めているかは関係ありません。

消費国が、価格の変動を抑えて安定的に購入するために、先物市場を作ったのです。


特にサントメプリンシペは、そんな歴史的背景に大きく影響を与えられています。


木箱にカカオ豆と果肉を詰め、嫌気発酵から好気発酵へ。

生産と消費の分断をなくすためには、

採れたて発酵したてのカカオ豆を、

原料としてのカカオ豆ではなく、

現地の人と森と暮らし、

現地の暮らしから生まれるカカオを、ショコラトルを、サントメプリンシペからはじめようと。

 

効率の価値ではなく、

神への捧げ物として、薬として、全感覚を通して味わうショコラトルや、

世界中の老若男女へ渡った、嗜好品として味わうチョコレートというように、

物語の価値を、生産国から消費国へ届けていきます。


発酵したカカオ豆

“サントメプリンシペから、カカオと、森と、ここに暮らす人々と、世界が、豊かに。”


まずは、歴史とともにカカオが辿った道を知る必要が、我々にはあります。

しかし、カカオの歴史を辿っていくためには、

数々の乗り継ぎに伴う航空券、VISA、黄熱予防接種証明書などが必要となります。

出店でいただいたお金のほとんどは、カカオ豆の購入として農家さんに還元し、

日々暮らしは、畑や放置竹林から自然の恩恵をいただいているため、

今回のプロジェクトに際し、やりくりをしても資金が不足しているのが現状です。

 

その中で、なぜ、銀行から借りなかったのか。

 

お金を借りれば、当然その事業で利益を出し返済する必要があります。

その為には、少なからず量を作る事を働きかけなければなりません。

しかし、地球に還元する以上にマネタイズし、こちら側の都合を現地の仕組みに取り入れていくことに違和感を感じるのが、正直なところです。

 

我々は、ただ循環がうまくいっていない部分を通すだけ、

地球とそこに暮らす人たちの豊かさを応援できる環境作りをしたい。


〈資金用途〉

▼片道一人当たり

・東京→グアテマラ 約¥70,000

・グアテマラ→エクアドル 約¥30,000

・エクアドル→スペイン 約¥80,000

・スペイン→サントメ 約¥80,000

 

往復2人分の合計 

約¥260,000 × 2 × 2人

=¥1,040,000

 

目標金額:100万円

支援期限:2025年1月29日(水)

(和暦正月)


カカオの歴史に隠された、分断。

それは、

自国の立場を「先進国」とみなし、

うまれる「発展途上国」。

「消費」したい量を要求することで、

暮らしの外から生むこととなる「生産」量。

我々が目指すのは、

人々を暮らしに還すことから。

そして、

暮らしの循環から生まれるカカオを世界に届けたい。



お力添えいただけたら幸いです。

ご支援のほど、よろしくお願いいたします。